地球のどこかで会いましょう

旅について感じたまま綴ります。普通の人はまぁ行かないようなところに行ったりします。踏んだことない土を一つでも多く踏んで死にたい。通算40ヵ国くらい。サラリーマンは副業です。

イスラム教とテロリスト【チュニジア①】

チュニジア

≪2014年冬 チュニジアの記事です≫

 

 

北アフリカチュニジアに向かいます。

 

f:id:sana_tabi:20210601202038j:plain

↑ チュニジアのシディブサイド

 

ピンと来る方の方が少ないかもしれませんが、

 チュニジアは地中海に面した北アフリカの国で、

砂漠と遺跡と海沿いの美しい街並みがある

異国情緒たっぷりの国です。

 

前回の記事の事件で、

そんなチュニジアの写真を多数失ったのですが泣、

お気に入りの国なので、手元に残った写真で

一つでも多く魅力をお伝えできれば。

 

 

f:id:sana_tabi:20210609225336j:plain

↑ 出発の成田空港

 

今回はHISのツアーを利用します。

何か治安が悪いとかではないのですが、

イスラム圏を女性が旅するのは、

なかなかハードルが高いですので・・・・

 

f:id:sana_tabi:20210609225325j:plain

f:id:sana_tabi:20210609225328j:plain

↑ 乗り継ぎのドーハ空港で朝ごはん。乗り継ぎ時間込みで20時間くらい。

 時差もあり、日にちの感覚が狂います。

 

ムスリムの女性たちは、一般的に髪の毛や顔の一部を

ベールで覆う恰好をしていることが多いので、

外国人女性が髪の毛を出して歩いているだけで

好奇の目にさらされる感じがあります。

 

とは言え、近年では、政教分離の進むトルコや

今回紹介するチュニジアの都市部などでは、

私たちと変わらない恰好で街を歩く女性の姿も

多数ありました。

 

f:id:sana_tabi:20210609225331j:plain

↑ チュニスカルタゴ空港

 

ムスリム女性特有のベールを纏う服装は、

我々から見るとただミステリアスですが、

カンカン照りだったり、突風で砂埃が舞う砂漠地帯では、

そんな過酷な環境から肌や目鼻を守り、

とても理に適ったものであることを実感します。

 

体のラインや長い髪の毛といったパーツを隠すことは、

女性の身を守る意味も大きかったのだと思います。

 

f:id:sana_tabi:20210609225353j:plain

f:id:sana_tabi:20210609225358j:plain

↑ モスク内部。絨毯が敷いてあって、教徒は座ってお祈りします。

 

イスラム教の経典であるコーランも、

理解不能な内容はたくさんありますが、

よくよく読むと、昔の教徒たちを守るための

「生きる知恵」が散りばめられていることに気付きます。

 

豚肉禁止なんてのは、その最たるものだと思っていて、

きちんと火を通さないとお腹を壊したり、

当時の衛生面からそんな教えにしたのではと思います。

(諸説あります)

 

f:id:sana_tabi:20210609225407j:plain

 

 

f:id:sana_tabi:20210609225402j:plain

 

首都チュニスにあるバルド国立博物館には、

古代の美しいモザイクが数多く展示されています。

澄んだ空気感が印象的でした。

 

f:id:sana_tabi:20210609225412j:plain

f:id:sana_tabi:20210609225344j:plain

f:id:sana_tabi:20210609225349j:plain

 

2015年3月、この静かな博物館で銃乱射事件が起こり、

日本人を含む多数の外国人観光客が死傷しました。

 

犯人の男らの国籍はチュニジア

過激派組織「イスラム国」の犯行という説もあります。

外国人観光客をターゲットにすることにより、

観光業メインのチュニジア経済に打撃を与えることが目的だった

という見方もあるようです。

自分がここを訪問したわずか1年後の出来事。

ニュースやネットで、生々しい映像を目にしました。

 

緑豊かで静かなこの場所で多くの血が流れたことが、

ただ恐ろしく、悲しかった。

 

f:id:sana_tabi:20210609225340j:plain

 

911以降、「イスラム=怖い」というイメージが

世界に浸透してしまったように思います。

ある者はベールを被り、ある者は濃い髭を生やし、

よく分からないアラビア語でまくしたてる彼らは、

“得体の知れない”人種に見えるかもしれない。

 

それでも、彼らの拠り所であるコーランには、

「旅人には親切にしなさい」

「弱いものは助けなさい」

という教えがあり、

イスラム圏の旅先では、現地の人たちに

よくしてもらった記憶ばかりが思い出されます。

 

お喋り好きで、人懐っこくて、素朴な人たち。

 

残酷な事件を起こす過激派のテロリストたちが

そんな「素朴で人情系のイスラム教徒」と同じだとは、

私はどうしても思えないのです。

 

捏造されたかもしれない「事実」や偏見によって、

優しい彼らが悲しまないで済む世界でありますように。

 

日本から出てみると、例えば地球の裏側での出来事が

単なる他人事ではなくなっていく。

この感覚が、堪らなく好きです。

 

 

 

↓ 関連動画 エジプト・カイロの車窓やスークの動画があります

www.youtube.com