イスラム教とテロリスト【チュニジア①】
≪2014年冬 チュニジアの記事です≫
↑ チュニジアのシディブサイド
ピンと来る方の方が少ないかもしれませんが、
砂漠と遺跡と海沿いの美しい街並みがある
異国情緒たっぷりの国です。
前回の記事の事件で、
そんなチュニジアの写真を多数失ったのですが泣、
お気に入りの国なので、手元に残った写真で
一つでも多く魅力をお伝えできれば。
↑ 出発の成田空港
今回はHISのツアーを利用します。
何か治安が悪いとかではないのですが、
イスラム圏を女性が旅するのは、
なかなかハードルが高いですので・・・・
↑ 乗り継ぎのドーハ空港で朝ごはん。乗り継ぎ時間込みで20時間くらい。
時差もあり、日にちの感覚が狂います。
ムスリムの女性たちは、一般的に髪の毛や顔の一部を
ベールで覆う恰好をしていることが多いので、
外国人女性が髪の毛を出して歩いているだけで
好奇の目にさらされる感じがあります。
とは言え、近年では、政教分離の進むトルコや
今回紹介するチュニジアの都市部などでは、
私たちと変わらない恰好で街を歩く女性の姿も
多数ありました。
ムスリム女性特有のベールを纏う服装は、
我々から見るとただミステリアスですが、
カンカン照りだったり、突風で砂埃が舞う砂漠地帯では、
そんな過酷な環境から肌や目鼻を守り、
とても理に適ったものであることを実感します。
体のラインや長い髪の毛といったパーツを隠すことは、
女性の身を守る意味も大きかったのだと思います。
↑ モスク内部。絨毯が敷いてあって、教徒は座ってお祈りします。
理解不能な内容はたくさんありますが、
よくよく読むと、昔の教徒たちを守るための
「生きる知恵」が散りばめられていることに気付きます。
豚肉禁止なんてのは、その最たるものだと思っていて、
きちんと火を通さないとお腹を壊したり、
当時の衛生面からそんな教えにしたのではと思います。
(諸説あります)
古代の美しいモザイクが数多く展示されています。
澄んだ空気感が印象的でした。
2015年3月、この静かな博物館で銃乱射事件が起こり、
日本人を含む多数の外国人観光客が死傷しました。
犯人の男らの国籍はチュニジア人
過激派組織「イスラム国」の犯行という説もあります。
外国人観光客をターゲットにすることにより、
観光業メインのチュニジア経済に打撃を与えることが目的だった
という見方もあるようです。
自分がここを訪問したわずか1年後の出来事。
ニュースやネットで、生々しい映像を目にしました。
緑豊かで静かなこの場所で多くの血が流れたことが、
ただ恐ろしく、悲しかった。
世界に浸透してしまったように思います。
ある者はベールを被り、ある者は濃い髭を生やし、
よく分からないアラビア語でまくしたてる彼らは、
“得体の知れない”人種に見えるかもしれない。
それでも、彼らの拠り所であるコーランには、
「旅人には親切にしなさい」
「弱いものは助けなさい」
という教えがあり、
イスラム圏の旅先では、現地の人たちに
よくしてもらった記憶ばかりが思い出されます。
お喋り好きで、人懐っこくて、素朴な人たち。
残酷な事件を起こす過激派のテロリストたちが
そんな「素朴で人情系のイスラム教徒」と同じだとは、
私はどうしても思えないのです。
捏造されたかもしれない「事実」や偏見によって、
優しい彼らが悲しまないで済む世界でありますように。
日本から出てみると、例えば地球の裏側での出来事が
単なる他人事ではなくなっていく。
この感覚が、堪らなく好きです。
↓ 関連動画 エジプト・カイロの車窓やスークの動画があります